2009-12-06-Sun-10:22

これで、一旦終息か?

11月26日、ドバイでは政府系持ち株会社ドバイ・ワールドと系列の不動産開発会社ナヒールが数十億ドルに上る債務の返済延期を要請する計画を明らかにしたことが伝わった。同日、米国は感謝祭で休日、中東も長期の休みに入る直前でもあったことから、マーケットは一時パニック状態に陥った。世界のあらゆる市場が動揺し、リスク回避姿勢が顕著になり、為替市場では安全な逃避先とし円買いが活発化した。27日の東京外国為替市場で、ドル/円相場は一時14年ぶりとなる84円台後半へ下落し、クロス円も連れ安となり下げ幅が拡大した。一方、27日、ブラウン英首相が「ドバイ危機は封じ込め可能と確信」と発言。リーマンショックから世界的な金融システムは、着実に改善しつつあるとの見方が広まった。米国は静観姿勢を崩さなかったことも市場に安心感を与えたのだろう。

週明け、徐々にドバイの債務問題の詳細が明らかになると、金融市場の健全性についての懸念が後退した。リスク許容度が改善し、金価格は過去最高値を更新した。欧州株や米国株も再び上昇トレンドの動きを見せ始め、マーケットは次第に落ち着きを取り戻した。

11月27日にドル/円が84円台に下落したことから急激な円高を危惧し、日本政府も重い腰を上げ、政府の要人発言が相次いだ。30日に鳩山首相の「円高対策、迅速に手を打たなければならない」、「景気二番底の心配消えておらず、政府しっかりやるとのメッセージ出したい」、「ドバイの信用不安、楽観許されず、警戒続ける」との考えを明らかにし、菅国家戦略相の「円高への歯止めなど、3点の方向性を了承」、「日銀との間でもできるだけ協調/補正の規模」との発言。1日に藤井財務相の「政府と日銀の経済認識は共有されなければならない」、「12月の金融政策会合の対応、日銀のことでありわからない」、「量的緩和にはいろいろな手段がある」、「為替が不規則に動いたときの対応含めて慎重に注視する段階」との発言が伝わった。政権交代した民主党がどのような政策運営をしていくのか、未だに市場では不透明だとの見方が大勢を占めた。11月25日に藤井財務相の「ドルが弱いから円高になっている」との発言もあり、発言内容と整合性がないとの見方が市場では広まった。

12月1日に急遽、日銀臨時金融政策決定会合が行われると発表された。市場は踏み込んだ政策が発表されるのではないかとの期待が高まり、一時円売りが強まった。日本時間午後3時45分過ぎ、日銀臨時金融政策決定会合の結果が発表され、「やや長めの金利の低下を促す新しい資金供給手段を導入」、「3ヶ月・0.1%の新たな資金供給オペを決定」、「担保は社債・CPなどすべての日銀適格担保」、「供給額は10兆円程度」、「無担保コールレートを0.1%前後で推移することを促すことを決定」、「新たな資金供給オペの導入は全員一致で決定」等の見解が明らかになった。市場では踏み込んだ量的緩和策が発表されるとの期待が先行していた分、発表内容に失望し、一時円買いに傾斜したものの、下げ渋った。その後、リスク選好姿勢が改善し、ドル売り・円売りへ傾斜した。

3日、米テレビインタビューでガイトナー財務長官の「金融危機の際に、人々はドルに資産を移していた。危機感がいくぶん後退したことで、その動きがいくらか逆戻りしている」、「世界経済に対する投資家の自信の回復を示すものとみている」と語った。11/3-4分のFRBの議事録要旨と米政府のドル安容認姿勢が一致し、一貫していると市場は評価する一方、日本が迷走しているとの見方が根強い。

4日に発表された11月の米雇用統計で失業率が10.0%と予想(10.2%)より改善。非農業部門雇用者数変化は過去最長を更新する23ヶ月連続の減少となったが、11月分は1.1万人減少(予想12.5万人減少)、10月分も19万人減少から11.1万人減少とそれぞれ減少幅が縮小した。年内にも減少に歯止めが、かかるのではないかとの見方や、ここ最近のドル売りの流れで膨らんだ売りポジションの解消の動きもあったとの声も聞かれ、一気にドル買いに傾斜した。ドル/円は3週間ぶりの90円台へ上昇するとクロス円も連れ高に推移したが、ドルストレート通貨でのドル買い・主要通貨売りに下げ幅が拡大したこともあり、伸び悩んだ。
ドル安との見方から代替投資先として選好されていた金価格も、前日比48.80ドル安の1オンス=1169.50ドルで4日の取引を終えた。

米国の低金利政策が長期化するとの見方を崩しておらず、11月の雇用統計でも失業率が依然として二桁台であることや、ドル安政策によって景気回復や雇用増を目指す姿勢を示していることなど背景に、市場では大枠でのドル安の流れは変っていないとの見方が大勢を占めている。来週以降、注目の経済指標が少なく、季節要因で市場参加者も減り、小幅な値動きになるのではないかとの声も少なくない。しかし、相場は生き物、いつ、また乱高下するかわからない。くれぐれもポジション管理、リスク管理に気をつけて下さい。
一服するのも、気持ちを静めるために必要だろう。
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