2011-08-21-Sun-10:13

今週の展望

今週も引き続き米国景気と欧州金融セクターへの不透明を背景にしたリスク回避の流れに歯止めがかかるかが焦点になりそうだ。
ドル/円はリスク回避の中、8月19日のニューヨーク市場で一時史上最安値となる75.95円(インターバンク市場)をつけた。この日、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、財務省の中尾武彦財務官は、日本には為替市場に頻繁に介入する計画はないと発言。一方、投資家が円を逃避通貨として扱う理由はないとも指摘したことなどが、ドル売りの材料となったとの声も聞かれた。こうしたことを受け、週明け、市場の混乱に催促された主要国が協調しての政策対応への期待が高まっている。日本の政府・日銀の動向やジャクソンホールでのバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演をにらんで、主要通貨は神経質な展開になることも考えられる。ドル/円は一旦心理的な節目とされる76.25円を割り込み、史上最安値となる75円台をつけたことから、一段と介入警戒感が強まる一方で、介入を促すような再度下値トライとなるかも知れない。

 先週発表された米国の8月フィラデルフィア地区連銀業況指数など最新データの景気指標にさえないものが目立ち、景気後退や二番底懸念が浮上してきた。欧州では短期金融市場が緊張し、欧州金融機関の資金調達が困難に陥っているのではないかとの憶測が広まり、金融セクターへの不透明感が強まっている。ギリシャがフィンランドと第二次支援融資に関する担保差し入れで合意したことを契機にオーストリアなどにも担保を求める動きが広がり、追加支援に不安も出てきた。
 これらを受けて、市場はリスク回避・逃避的な動きを強め、世界的に株価は値動きが荒くなる中で下落トレンドをたどっている。NYダウは8月9日に年初来安値をつけたあといったん戻り歩調になっていたが、18日に再び急落。19日の終値は10817.65ドル。リスク資産圧縮の動きが加速している。
市場では、安全資産への逃避的な流れが続いており、介入や金融緩和等で円買い・スイスフラン買いのトレンドを変えることはできないとの声が多い。しかしながら、時間稼ぎであっても、ドル/円の急落には対抗せざるを得ないとの見方から、日本政府・日銀による
円売り介入の可能性は残るとの指摘がある。
だが、22-24日にはバイデン米副大統領が来日するため、この期間は介入しにくいとの見方もある。ただ、ドル/円相場が急落すれば、米副大統領がいても円売り介入をすることもあるのではないかとの声も一部はあるようだ。
 
一方、危機対応を求められているのは、米国も同じだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)は低金利政策の時間軸強化を打ち出したばかりだが、市場は株安で追加対応への催促を強めている。
 バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、8月25-27日にワイオミング州ジャクソンホールで行われる経済シンポジウムで講演する予定。前年、この講演でQE2を示唆したことから、今回も米景気後退懸念が強まる中、量的緩和第3弾(QE3)を含め何らかの金融緩和策について示唆するのではないかとの期待が高まっている。米10年債利回りは18日に2%を割り込むなど米長期金利の利回りが低下していることもあり、米国株にも一定の下支えになっているとみる声がでている。
 ただ、米インフレ状況は変化している。QE2導入時のデフレ懸念から現在はインフレの可能性に目が向いていることに加え、前回の量的緩和策でも米景気は回復していない。債務上限引き上げ問題であれだけ、時間がかかったこと考えれば、新たなQE3は難しいとの指摘がある。今回の講演で、QE3等新たな金融緩和策が打ち出されなかった場合は、失望感から株価が下落する可能性があり、リスク回避の動きを強める可能性がある。一方、QE3が見送られたとしても、米景気や欧州金融セクターへの不透明感が続くなかでは、市場のQE3に対する思惑は払しょくされないとの見方がある。ただ、バーナンキFRB議長の発言内容を市場参加者がどのような受け取り方をするのかわからない。内容次第で、一時的に株価や為替市場等は値動きが荒くなることも考えられるので、十分注意したい。
 今週、米国では23日に7月米新築住宅販売件数、8月リッチモンド連銀製造業指数、24日にMBA住宅ローン申請指数、7月米耐久財受注、4-6月期米住宅価格指数、25日に新規失業保険申請件数、26日に4-6月期米実質国内総生産(GDP)改定値、8月ミシガン大学消費者態度指数・確報値などが発表される。また、米財務省は23日に2年債350億ドル、24日に5年債350億ドル、25日に7年債290億ドル規模の入札を実施する。
 一方、日本では24日に7月企業向けサービス価格指数、25日に対外対内証券売買契約等の状況、26日に7月全国消費者物価指数(CPI)、8月東京都区部CPIなどが公表される。
相場は生き物、いつ、何時、動き出すかわからないので、ポジション管理には十分注意したい。

そして、普段の生活を大切にしてください。

では、良い休日を。
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